【静岡】南海トラフ地震による影響と被害想定を解説!

【静岡】南海トラフ地震による影響と被害想定を解説!

 

南海トラフ地震が起きると、太平洋側の都市を中心に大きな被害が出るとされています。
『東京・横浜・大阪』などの人口が集中している所に目が行きがちですが、実際には地震の発生源に近くで津波の影響を大きく受ける「静岡」や「和歌山」の被害が最も大きいとされています。

 

ここでは、静岡の南海トラフ地震による影響と被害想定について詳しく解説していきます。

 

 

静岡への影響と被害想定について

 

南海トラフ巨大地震の震度分布

出典:「南海トラフ巨大地震の震度分布(強震動生成域を陸側寄りに設定した場合)」(気象庁ホームページより)

 

2016年前後から連続して大規模な地震が起こっており、2018年には記憶に新しい大阪で震度6の「大阪北部地震」が起きたということもあり、南海トラフ地震の発生がますます危惧されています。
南海トラフ地震というのは、「東海」「東南海」「南海」の3つの震源域が連動して起こる地震のことです。

 

この内のどれが発生源となるのか現状は分かっていないのですが、3つの内の1つが発生源となり地震が起こることで誘発されて、より大きな地震が連動して起こる可能性があります。
東日本大震災では、日本海溝に沿って「約500km」も断層がズレましたが、南海トラフの長さは700kmを超えると言われています。

 

そうなると、地震が発生して「700km」の断層がズレると大規模な被害が出ることは簡単に予測できます。
その際、南海トラフの区切り部分が「駿河湾」を通っているために、ここに大きな影響が出ると「静岡県」に被害が出ることに繋がるのです。

 

では、断層がズレて大規模な地震が起きた際に、「揺れ」や「津波」を含めて静岡県で出る被害想定はどのようなものでしょうか?
まず、南海トラフの東端の東海沖付近で「マグニチュード9」の南海トラフ地震が発生したとすると、静岡県では「震度6強~7」までの最大震度となるとされています。

 

これは、1995年に発生した「阪神淡路大震災」や、2011年に発生した「東日本大震災」で観測された最大震度と同じ規模だと考えられます。
ただ、この時に最大震度が観測された「震度7」を超えた場所では、津波の心配はありませんでした。

 

しかし、静岡県では「震度7」が予測される地域では津波の心配があるのです。
そう考えると被害が更に大きくなることが分かります。

 

静岡県の被害想定は以下の様になっています。

南海トラフ地震による静岡県の被害想定
死者 10万900人
建物倒壊 31万9000棟
浸水面積 150.5平方キロメートル
断水 340万人
下水道 200万人
停電 200万軒
ガス停止 20万戸
1日の避難者数 90万人
一週間の避難者 110万人
災害廃棄物 3100万トン
直接被害額 19兆9000億円

 

地震によって想定される被害は、「揺れ」と「津波」だけではありません。
南海トラフ地震によって、「富士山」や伊豆半島にある「火山」などにも活動の影響を与えるとされています。

 

実際に、江戸時代の1707年に起きた「宝永地震」では、大地震があったわずか49日後に富士山の山腹から噴火が起こった「宝永大噴火」が発生しました。
日本一の山である富士山は、紛れもなく「火山」なのです。

 

そして、ここで起こった大規模な噴火による「火山灰」や「粉塵」は偏西風に乗って、東にある「東京」や「神奈川」を直撃します。
富士山に近い地域では、『火砕流・土石流・粉塵』などの被害を受けることになります。

 

また、地震や津波で弱っているところに火山による被害が発生するので、さらに被害が悪化することになると予想されています。

 

交通インフラの被害

 

大津波の影響をダイレクトに受けてしまうのが「東海道新幹線」と「東名高速道路」の2つです。
この2つは東京~名古屋~大阪を結ぶ、まさに日本のメインストリートです。

 

二つともが、太平洋と山々の間のわずか「500m」程の幅しかない所を行き来しているので、大津波が押し寄せると両方が使用不可能になるのはほぼ間違いがありません。
地震が起きた際に、「時速300km」近いスピードで走っている新幹線や、高速道路上を走っている多くの自動車に大きな被害を起こり、これらが使用できなくなることで「東日本」と「西日本」の交通が分断されてしまいます。

 

これは、『経済・物流・観光』などの分野にとっても大打撃となります。
そして、新幹線などは「揺れ」と「津波」で使用できなくなると、直ぐに復旧することはできません。

 

「一般道路」や「高速道路」も使用出来なくなることも合わせて、交通インフラは完全にストップしてしまうのです。
この交通インフラがストップすることで、救援物資の運搬にも支障が出ることでしょう。

 

観光地の被害

 

静岡県の長い海岸線は、海水浴場が多くあります。
夏場に南海トラフ地震が起こった場合には、こうした海水浴客が被害にある可能性があります。

 

さらに、伊豆半島には温泉地もあり、多くの観光客が訪れています。
こうした場所では、「揺れ」「津波」「火山活動」の全てが起こる可能性があるため、ここでも大きな被害が出てしまいます。

 

また、こうした観光地では「地震」や「火山」によって危険と判断されると、観光客が激減するという流れがあります。
地震が起きた時だけでなく、それから数年間にも亘る長期的な打撃となって観光地を苦しめることでしょう。

 

原子力発電所の被害&対策

 

静岡には、御前崎市に「浜岡原発」があります。
もちろん、この御前崎市も南海トラフ地震が起きた際には、被害を受ける地域に想定されており使用不能になります。

 

この「浜岡原発」は、直線的な距離で言えば「福島第一原発」よりも東京に近く、ここで放射能が漏れたりすると偏西風に乗って、東京に届く可能性があるので危険度ははるかに上です。
そのため、「浜岡原発」を管理する中部電力は、非常に高いレベルでの耐震補強を行ってきました。

 

さらに、津波対策として作った「18m」の防波壁を更に高くして「22m」の高さにして津波に備えています。
また、東日本大震災の時に電源が全て落ちたことで、原子炉の冷却が出来なくなって被害が拡大した福島の原発を踏まえて、平常電源がすべて落ちてしまった際の「予備電源」の追加配備が行われました。

 

それに加えて、もともと高い耐震補強がされていたのですが、さらに「総額800億円」もの費用をかけて「補強工事」を行うことで、最大「1000ガル」までの耐震性を実現しています。

 

耐震性を表す値「ガル」とは?

ガル(Gal)は、地震の揺れの強さを表すのに用いる加速度の単位のことで、1ガルは毎秒1cmの割合で速度が増す事(加速度)を示しています。

 

 

津波による影響と被害想定について

 

南海トラフ巨大地震の津波高

出典:「南海トラフ巨大地震の津波高(「駿河湾~愛知県東部沖」と「三重県南部沖~徳島県沖」に「大すべり域+超大すべり域」を2箇所設定した場合)」(気象庁ホームページより)

 

南海トラフ地震で静岡県に大きな被害をもたらすのが津波です。
マグニチュード8~9と予想されている南海トラフ地震では、震源地が東西に広がっており、そこから発生する津波を同じく東西に広がっている静岡県を直撃すると予想されているのです。

 

最も震源に近いと想定されているのは「焼津市」「蒲原市」であり、地震が発生してから「5分以内」に最も早い場所では「2分」という速さで津波が襲ってきます。
そうなると避難する時間も無いままに津波に襲われることになります。

  • 御前崎市で19mの津波高
  • 下田市で33mの津波高
  • 浜松市で16mの津波高
  • 静岡市で13mの津波高

 

この津波によって、10万人を超える死者が想定されているのです。
また、御前崎市には浜岡原発もあります。

 

海岸線が複雑なリアス式海岸が広がる「伊豆半島」では、それだけ高い津波が想定されているのですが、こういった地域は観光地となっていることもあって大きな被害が出てしまいます。
また、海岸線から離れた地域に住んでいるから安心という訳ではありません。

 

静岡県は沿岸から内陸にかけて、なだらかな海岸線が続いていることが多いために、津波が一気に内陸まで移動しやすいのです。

 

静岡への経済的影響について

 

経済被害

 

実は、静岡には日本を代表するような規模の大企業がいくつも存在しています。

 

静岡県西部の浜松市には「スズキ自動車」「ヤマハ」「本田技研」などの、本社や工場が集中しています。

 

製造業への影響

 

浜松は「オートバイ」と「楽器」の生産が多く、とくにピアノに関しては『ヤマハ・河合楽器・ローランド』という三つのメーカーが集中しており、ピアノの製造に関しては国内シェア100%となっています。
つまり、日本国内では静岡県浜松でしかピアノを製造していないのです。

 

スズキ自動車は、東日本大震災を受けて「津波」や「原発」からの被害リスクを低下させるために、「930億円」もの費用をかけて「標高80m」の高さの工業団地に、主な工場を移転することを決めました。

 

漁業への影響

 

漁業についても甚大な被害が出ます。
静岡には、焼津港を始めとして多くの漁港があり「遠洋漁業」「沖合漁業」が盛んに行われています。

 

東日本大震災の際に「岩手県」「福島県」の漁港が大打撃を受けたように、ほとんど全ての漁港が打撃を受け漁船も数千隻単位で使用が不可能になります。

 

工業への影響

 

静岡県東部の富士山近くには、大規模な「製紙パルプ工場」も多くあります。
製紙パルプを行うには、綺麗な「水」と豊富な「木材」が必要となりますが、この地域にはその両方が揃っているのです。

 

もちろん、これらも地震の揺れと津波の被害によって壊滅的な被害を受けます。

 

GRP(域内総生産)への影響

 

こういった企業の被害に『観光サービス・運送・交通』などを合わせて考えると、南海トラフ地震が起こった場合は静岡県全域に亘って被災後2年間は、GRP(域内総生産)が現在の「50%~70%」減少すると想定されています。

 

とくに、経済が集中しており津波被害を最も受ける静岡県の中部から西部に掛けては、GRP(域内総生産)が「70~80%」も減少するという甚大な被害が予想されています。
また、それらは長期化する可能性が高く、完全に復興するには数十年の長い月日が必要となります。

 

最後に

 

静岡県は、南海トラフ地震が起きた際に「津波」の被害を最も受けるとされている地域で、想定されている死者数も多い都道府県です。

 

そのため、何よりも地震に対する備えが必要な地域と言えるでしょう。

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