南海トラフ地震の影響は住宅再建にも!職人の不足問題

南海トラフ地震の影響は住宅再建にも!職人の不足問題

 

南海トラフ地震のような規模の大地震が起きると『倒壊浸水津波火災』などによって多くの人命や建物が失われていきます。
それらは当然、痛ましい被害を与えるのですが、その後には非常に長い時間を掛けて復興活動をしていかなければなりません。

 

しかし近年、『東日本大震災熊本大地震鳥取地震大阪北部地震北海道地震』などに加えて、台風の災害などによって建物の被害が激増しています。
建物の再建には、修理をしたり新たに建設をするので、材料の他に「建築業者」「職人」が必要となりますが、人数が圧倒的に足りていないという現状なのです。

 

そのため、職人不足により復興をするにあたって問題となる場合もあります。
ここでは、南海トラフ地震のような大規模な地震が起きた際の職人不足による「復興」や「住宅再建」への影響について詳しく解説していきます。

 

 

震災時の住宅再建の現状

 

住宅再建

 

大規模な地震が起こったりすると、多くの建物が『全壊半壊浸水火災』などの被害を受けます。
近頃では熊本大地震がありましたが、それから2年以上経った今でも「約38000人」もの人が、仮設住宅で生活をしているという現状があります。

 

地震の1年後に仮設住宅で生活をしていた人は「約48000人」でしたので、1年で「約10000人」しか仮設住宅を出ることが出来なかったことになります。
実は、これには様々な要因が関係しています。

 

経済的な問題で住宅再建できない

 

まずは、経済的な問題です。
家が全壊してしまった場合、まず「瓦礫などの撤去作業」を行うことになります。

 

そして、更地の状態に戻したら改めて建築することになりますが、例えば建設に「2000万円」掛かるとします。
しかし、「行政」や「自治体」から出る見舞金や義援金などから支払われるお金は、大体数十万円~数百万円までです。

 

つまり、残りは自分で用意しなければいけないのです。
ただ、この大地震で「生活基盤」や「仕事」を失ってしまっている場合も多くあります。

 

そういった人に数千万円のお金が直ぐに用意できるかどうかは難しく、新たにローンを組むにしても前の家のローンが残っていたりする場合には、二重ローンの支払いをしていくことになります。
そういった動きを直ぐに出来なという人が大勢いるのです。

 

「職人」や「資材」不足の影響で住宅再建できない

 

そして、もう一つは「職人不足」「業者不足」「資材不足」です。
例えば、台風などが直撃したあと、屋根の修理などで修理業者や瓦職人は大忙しになります。

 

これが、もっと大規模に起こると考えれば分かりやすいかもしれません。
建てなければいけない「家」や修理しなければいけない「建物」の数が膨大であるにも関わらず、業者や職人の数には限りがあるため、とても手が回らないのです。

 

そして、こうした職人の数の少なさが全体の流れを更に悪くさせています。
建物を建てるにしても、一人の職人で建てる訳ではありません。

【職人の様々な仕事】

  1. コンクリートを流し込んで枠組みを作る「型枠大工」や「骨組み」を作る大工
  2. 外装が出来上がれば配線を繋ぐ電気業者
  3. クロスを張るクロス職人
  4. 床のタイルやカーペットを張る床職人

 

など、職人といっても仕事は様々です。
問題なのは、「前工程」の工期が遅れると「後工程」も全て遅れるということです。

 

例えば、頑張って内装職人を集めることに成功したとしても、型枠大工を集めることができなければ建物は建ちません。
建物が建たなければ、内装職人は仕事ができないのです。

 

このように、全体の仕事の流れが非常に悪くなってしまうことが起こっているのです。

 

なぜ職人が不足しているのか?

 

職人不足

 

では、なぜ職人が不足しているのでしょうか。
「東日本大震災」や「熊本大地震」のような震災があれば、職人たちが一時的に不足するのはある意味では当然のことです。

 

しかし、実際には問題はもっと深くなっています。
これらの大規模な地震が起こる前から、日本は職人が不足している傾向がハッキリとあったのです。

 

これにも、いくつかの理由が存在しています。

 

不景気による影響

 

まず、何度か起こった「不景気の波」が関係しています。
リーマンショックが起こった時などには、建築業界が受注を大きく減少させました。

 

そのしわ寄せは、末端の職人にも押し寄せ、その時に引退や廃業してしまった職人が多くいたのです。
その後、景気が回復して建築の受注が上昇してきても、職人が急激に増えるということにはなりません。

 

結果的に、職人が数を減らしたことになったのです。
また、こうした職人は「一人前になるまでに、時間が掛かる」ということもあります。

 

人の仕事をどんどん機械がするようになっている世の中ですが、職人の仕事はなかなか機械化ができないとされています。
長年の経験による技術などは、機械が行うことはできないのです。

 

実際に、一人前の職人になるまでには、親方の下について働き技術を磨いて、独り立ちしていかなければいけません。
その長年の修行を嫌う若者が増えたこともあって、これらの職人は「高齢化」「数の減少」が進んでいるのです。

 

雇用形態による影響

 

更に、ややこしくさせているのが「雇用形態」です。
職人は、全員が「建築会社」や「専門業者」に雇われている正社員という訳ではありません。

 

完全に正社員雇用としてしまうと仕事がない時にも、常に給料を支払うことになるからです。
そのため、多くの職人は「一人親方」と呼ばれるようなフリーの立場で仕事をしています。

 

「建設業者」や「内装業者」などで仕事が発生した場合に会社から連絡が行き、日程が合えば仕事を請け負うという形式です。
その場合にも、「日当」で契約する場合と「出来高」で契約する場合があり、必ずしも安定した給料が貰えるという訳ではありません。

 

腕の良い職人が休みなくずっと仕事をすれば、かなりの高収入を得ることができますが、仕事がない時や天候などによって仕事ができない場合には、無収入になる可能性もあります。
こうした不安定な雇用形態を嫌がる若者も多く、さらに職人が減少する理由となっているのです。

 

 

南海トラフ地震で住宅が被害を受けた場合の再建は?

 

南海トラフ地震

 

では、近いうちに南海トラフ地震が起きて住宅が被害を受けた場合、どんなことが予測されるでしょうか。
まず、まだ「東日本大震災」や「熊本大地震」で被害を受けた住宅が、すべて再建された訳ではないということを覚えておかなければいけません。

 

前の再建が残っている状態で、新たに再建しないといけない住宅が増えるのです。
そして、南海トラフ地震は人口が多い「太平洋側」に大きな被害をもたらします。

 

その被害予想範囲のなかには『東京・名古屋・大阪』も含まれていることが更に不安を募らせています。
この時に問題になるのが、住宅再建をどこの業者が行うか?ということです。

 

もちろん、その地元にも業者は存在するのですが、その「業者」や「職人」も地震の被害を受けるということになります。
すると、直ぐに働けるという状態ではないということも考えられるのです。

 

働ける体制が出来上がっても、もともとの付き合いがあった「人」や「公共事業関係」などの仕事が優先されるために、一般家庭の住宅にまで手が回りません。
そんな時は、それほど被害が出ていない他府県から住宅メーカーなどが参入してくることになります。

 

しかし、こういったメーカーは以下のことを理由に割高な料金を請求してくることがあります。

  • 急いで再建すること
  • 職人が不足していること
  • 資材が不足して高騰してること
  • どこも今は大変であること

 

その平均試算では、その金額は数百万円と言われており、被災した人を数十年先まで苦しめることになる「ローン」として伸し掛かる可能性もあります。
それでも再建出来たら、まだ良い方かもしれません。

 

やはり、圧倒的な業者と職人の不足によって「修理」や「再建」に取り掛かるのに、かなりの時間が掛かるということが予測されています。

 

今後の職人不足対策

 

職人不足対策

 

こうした「職人の減少」と「高齢化」が進んでいることに対して、建設会社も行動は起こしています。
まず、一度辞めた人をもう一度職人に戻そうとする動きなのですが、転職して安定した仕事に就いている人は、不安定な給与体系の職人に戻ることを嫌がることが多いという現状もあります。

 

かと言って、いつまで大量に仕事があるかどうか分からないために、そういった人達を正社員として雇用することも出来ません。
新しく若者を職人として育てていくにしても、まず問題視されるのが給与の不安定さです。

 

そこで現在、「建設会社」や「内装会社」などが、職人の雇用形態や待遇の改善について変化を起こそうとしています。

  • 仕事が多い時期と少ない時期の給与の差をできるだけ発生しないようにする
  • 天候や前工程によって仕事が出来ない場合は他の現場に回って仕事を確保する

 

という様々な動きです。
ただ、これらの活動は起こせば直ぐに職人が増えるというものではなく、長期的な取り組みが求められています。

 

最後に

 

南海トラフ地震のような大規模な地震が起こると、「修理」や「再建」が必要な住宅が急激に増加するために、どうしても「職人」や「業者」が不足するということは間違いありません。
それは、職人の数を多少増やしても変化はないでしょう。

 

しかし、職人不足を解決するには、長期的に職人の数を増やしていくしかないのです。
「建設会社」や「専門業者」の取り組みによって、職人不足が解消することを願うばかりです。

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